#34 施設専用GPTをもっと賢くする | 介護現場のAI仕事術

・難易度:★★
・所要時間:約15分
・使うツール:ChatGPT(Plus以上)


第22回で施設専用GPTを作りました。

あれから使い続けていますか?

「最初は便利だったけど、なんか最近ちょっと違うな」
「同じプロンプトを使っているのに、出力がバラバラな気がする」
「もっとうちの施設に合った返答をしてほしい」。

そう感じたら、GPTを育てるタイミングです。
GPTは一度作って終わりではありません。使いながら気づいたことを指示に追加していくことで、どんどん現場の実態に近づいていきます。

↑22回で作った「介護記録アシスタントGPT」


この回でやること

  1. GPTの指示を見直す3つの視点

  2. 「NG例」を指示に加える

  3. 施設の文脈を追加する


Lv.1 GPTの指示を見直す3つの視点

第22回で書いた指示(システムプロンプト)を開いてみてください。
今の目で読むと、足りない部分が見えてくるはずです。

見直すときの視点は3つです。

視点①:「やること」だけでなく「やらないこと」を書いているか
「申し送り文を作ってください」という指示だけだと、GPTは自分の判断でいろいろ付け加えます。

「利用者の名前を推測して書かない」
「日付は必ず確認してから使う」
「断定的な表現を避ける」

といった禁止事項を明示することで、出力が安定します。

視点②:施設の具体的な状況が書かれているか
「特別養護老人ホーム(定員50名)」と書くのと「特別養護老人ホーム(定員50名)、ユニット型、認知症対応、記録はケアシステムに入力」と書くのでは、返答の精度がまるで違います。
施設の特性を細かく書くほど、現場に即した返答になります。

視点③:出力形式が明確か
「箇条書きで」
「200字以内で」
「です・ます調で」といった出力形式の指定が具体的であるほど、毎回安定した形式で返ってきます。
「使いやすい形に整えてください」という曖昧な指示は、出力が毎回変わる原因になります。


Lv.2 「NG例」を指示に加える

「こういう出力が来たら困る」という実例が蓄積してきたら、それをそのまま指示に追加します。

たとえば申し送り用GPTで「利用者が自分で歩けるかのような書き方をした」という問題が起きたとします。そのまま指示に加えます:

【NG例】
「Aさんは廊下を歩いていました」→「Aさんは車椅子で廊下を移動しました」
利用者の移動手段は必ず正確に記載してください。

NG例と正しい例をセットで書くことで、GPTは「何が問題で、どう直せばいいか」を理解します。

【ヒント】「なんか違う」と感じた返答が出たら、その都度メモしておきましょう。5〜10例溜まったら指示に追加する、というサイクルを作るとGPTが育っていきます。


Lv.3 施設の文脈を追加する

使い続けているうちに

「うちの施設ならではの言い回し」
「よく使う表現」
「避けたい言葉」

が見えてきます。

たとえば:

【施設独自のルール】
・「利用者」ではなく「ご入居者」と表記する
・ヒヤリハット報告書は「〜しました」ではなく「〜が見られました」という表現を使う
・家族への連絡文には必ず担当者名を入れる

これを指示に加えるだけで、出力が施設の文体に近づきます。

施設によって使う言葉や表現のルールは違います。GPTをその施設専用にカスタマイズできるのがGPTsの最大の強みです。

【ヒント】指示が長くなりすぎると逆に精度が落ちることがあります。「これは本当に必要か」と考えながら整理する習慣をつけましょう。不要な指示を削ることも育てることの一部です。


まとめ

  • GPTは作って終わりではなく、使いながら育てるもの

  • 「やること」と「やらないこと」の両方を明示する

  • NG例を実例で追加すると出力が安定する

  • 施設独自の言い回しや表現を指示に入れると現場に近づく

最初に作ったGPTと、半年間育てたGPTは全然違います。使えば使うほど施設の文化が蓄積されていく。それがGPTsを「施設専用AI」にする本当の意味です。


きょうの15分

第22回で作ったGPTの指示を今日開いてみてください。「やらないこと」が書かれているか、施設の状況が具体的に書かれているか、出力形式が明確かを確認して、一つだけ追加・修正してみましょう。


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