介護施設を利用する際、多くの方が気になるのが「費用はいくらかかるの?」という点です。実は、介護施設の利用料は一律ではなく、さまざまな要素が組み合わさって決定されます。本記事では、介護施設の料金の内訳と、それぞれがどう決まるのかを詳しく解説します。

◆ 料金を決める3つの柱

介護施設の利用料金は、主に次の3つの要素から構成されます:

① 介護報酬(基本サービス費)

② 各種加算

③ 食費・居住費(ホテルコスト)

基本サービス費(介護報酬)

介護施設の料金の中核となるのが「基本サービス費」です。これは厚労省が定めた「介護報酬単位表」に基づいています。この基本サービス費に基づいて、施設には国・自治体から公費が支払われ、利用者はその一部を自己負担する形で利用します。

・原則、公費(介護保険)9割:自己負担1割

・一定以上の所得がある場合、2割または3割負担

■ 負担割合の決まり方(2024年度現在)

年間所得目安

自己負担割合

約280万円未満(単身)

1割負担

約280万〜約340万円

2割負担

約340万円超

3割負担

※世帯収入や年金収入、課税状況によって異なります。

■ 基本サービス費の要素

基本サービス費は、以下の3つの要素で決まります

①要介護度:要介護度が高くなるにつれて、必要な支援量も増え、基本サービス費も高くなります。

②施設の種類:施設の種類ごとに設定されている「単位数」が異なります。

③地域区分:都市部など人件費が高い地域では「地域単価」が上乗せされます。

計算方法

自己負担割合(1~3割)×基本単位数×地域区分単価(円/単位)×利用日数

基本単位数・・・要介護と施設種類によって変わります。

要介護度

特別養護老人ホーム(特養)

介護老人保健施設(老健)

介護医療院

介護付き有料老人ホーム(特定施設)

要介護1

約656単位

約794単位

約795単位

約602単位

要介護2

約724単位

約858単位

約859単位

約670単位

要介護3

約793単位

約926単位

約928単位

約739単位

要介護4

約860単位

約990単位

約992単位

約807単位

要介護5

約927単位

約1,057単位

約1,059単位

約875単位

*一日あたりの基本単位数

各種加算

加算とは、介護施設が基本サービス(ベースの介護)に加えて、より質の高いサービスや特別な体制を提供している場合に、介護報酬を上乗せできる制度です。これらの加算が多いほど利用者負担も増えますが、サービスの充実度は高くなる傾向があります。主な加算には以下のようなものがあります。

加算名

内容

単位(例)

夜勤職員配置加算

夜勤職員を多く配置

13〜24単位/日

看取り介護加算

終末期の対応支援

72〜144単位/日

口腔衛生管理加算

専門職による口腔ケア

30単位/月

個別機能訓練加算

リハビリの充実

56〜85単位/日

医療連携加算

看護師や医師との連携体制

39〜80単位/日

加算と料金の関係

加算は基本単位にプラスする形で施設の利用料金に組み込まれます。施設が加算を取得している場合、計算式は以下のようになります。

自己負担割合(1~3割)×(基本単位数+加算単位数)×地域区分単価(円/単位)×利用日数

③居住費・食費(ホテルコスト)

基本サービス費とは別に、居住や食事にかかる「生活費」も自己負担です。

  • 居住費:個室か多床室か、公的施設か民間施設かで異なります。

  • 食費:1日3食とおやつ代など。標準的な額が決まっていますが、施設によって差があります。

低所得の方には、「補足給付(特定入所者介護サービス費)」が適用され、費用が軽減される場合があります。

④ その他費用

これらに加え、以下のような実費負担も生じる場合があります。

  • 日用品費(おむつ、ティッシュなど)

  • レクリエーション費

  • 理美容代

  • 通院付き添い費用

まとめ

介護施設の料金は、

(基本単位数+ 各種加算 )×地域単価×負担割合+ 居住・食費 + その他実費

という形で決まります。

入所を検討する際は、「料金の内訳」をしっかり確認し、サービス内容とコストのバランスを見極めることが大切です。自治体や地域包括支援センターに相談することで、費用負担軽減制度の活用なども検討できます。

(参考:介護保険制度について.令和6年度介護報酬改定における改定事項について.

介護給付費単位数サービスコード表

監修: 山口開渡 先生
<プロフィール>
登録理学療法士、両立支援コーディネーター、リスクマネジャーを保有。
大学卒業後、リハビリテーション特化型の通所介護事業所に入社。
その後、ケアミックス病院に転職、介護老人保健施設にて通所リハや訪問リハに従事。急性期~緩和・在宅期と全ての病期を経験。