#21 AIと自動化——次のステップへ | 介護現場のAI仕事術
・難易度:★★★
・所要時間:約15分
・使うツール:共通
この連載を通じて、AIに「お願いする」技術が身につきました。
文章を整える、要約する、壁打ちする、研修資料を作る。
でも気づいていませんか。
毎回、自分がChatGPTを開いて、プロンプトを貼り付けて、結果をコピーして——という手順を踏んでいることに。
「自動化」とは、その手順を自分がやらなくていい仕組みを作ることです。
「AIを使う」と「AIを動かし続ける」の違い
・AIを使う: 自分がChatGPTを開いて、プロンプトを入力して、結果を受け取る。毎回手動。
・AIを動かし続ける: ある条件が満たされたら、AIが自動で動いて結果を出す。自分は関係なく動いている。
たとえばこんな違いです。
手動 | 自動化後 |
毎朝申し送りをChatGPTに貼り付ける | フォームに入力したら自動で整形されて送られてくる |
研修後にアンケートを集計する | Googleフォームの結果が自動でまとまっている |
ヒヤリハット報告書を手入力する | 音声入力→自動で整形→担当者に通知 |
自動化の本質は「繰り返しやっている手順をシステムに覚えさせること」です。
この回でやること
・自動化の基本的な考え方を理解する
・介護現場で自動化できそうな場面を整理する
・自動化ツールの種類を知る
Lv.1 自動化の基本的な考え方
自動化はすべて「もし〇〇が起きたら、△△をする」という構造で成り立っています。
プログラミングでいう「if〜then」ですが、難しく考える必要はありません。
介護現場の例で考えてみます:
・もしヒヤリハット報告フォームが送信されたら → 担当者にメールを送る
・もし毎週月曜日の朝8時になったら → 週間予定表をスタッフLINEに送る
・もし新しい入居者情報がGoogleフォームに入力されたら → ChatGPTで初回アセスメントの下書きを作る
「もし〇〇なら△△」が一つ動くたびに、誰かの手作業が一つ消えます。
【ヒント】自動化を考えるときは「毎回同じ手順で繰り返していること」を探すのが近道です。週1回・月1回でも、毎回やっていることは自動化の候補です。
Lv.2 介護現場で自動化できそうな場面
難易度別に整理します。
はじめやすい自動化(ツール不要・今すぐできる):
・ChatGPTのカスタム指示を使って毎回の前置きをなくす(第17回でやりました)
・ChatGPT GPTs(自分専用AI)を作って施設スタッフ全員で使う
少し慣れたらできる自動化(Makeを使う):
・フォーム入力→ChatGPTで整形→担当者にメールで通知
・音声録音→文字起こし→ChatGPTで議事録生成→担当者に送信
上級者向けの自動化(Makeを複数つなぐ):
・フォーム入力→ChatGPTで整形→スプレッドシートに記録→担当者に通知→完了をSlackに投稿
・複数の記録を定期収集→ChatGPTで週次レポート自動生成→関係者に一斉送信
どこから始めるかは、自分の技術レベルと、どれくらい手間を省きたいかで決まります。
いきなり上級を目指す必要はありません。
Lv.3 自動化ツールの種類を知る
自動化を実現するツールは大きく3種類あります。
① AIツール自体の機能を使う
ChatGPTのカスタム指示やGPTs、Claudeのプロジェクト機能など。追加ツール不要で、今すぐ使えます。
② ノーコード自動化ツール
Make(メイク)やZapier(ザピア)など。プログラミング不要で、アプリとアプリをつないで自動化の仕組みが作れます。「Googleフォームの内容をChatGPTで整形してGmailで送信する」といった複雑な流れも、画面上の操作だけで実現できます。この連載でも、後ほど詳しく取り上げます。
③ AIエージェント
人間が指示しなくても、複数のタスクを自律的に処理してくれるAIです。「毎朝ニュースを要約して送る」「記録をチェックして抜け漏れを指摘する」といった使い方が可能で、こちらも後ほど詳しく取り上げます。
まとめ
・自動化とは「繰り返しの手順をシステムに覚えさせること」
・基本構造は「もし〇〇なら△△をする」
・まずはAIツール自体の機能(カスタム指示・GPTs)から始めるのが現実的
・慣れてきたらMakeなどのノーコードツールに挑戦するChatGPTで作った、今回の「介護現場のAI仕事術」のまとめも掲示しておきますのでご参考になさってください。

自動化はすぐに全部できなくて構いません。
「毎回同じ手順で繰り返していること」に気づくことが最初の一歩です。
その気づきを積み重ねていくと、少しずつ仕組みが育っていきます。
【きょうの15分】
今日の業務を思い返して、「毎回同じ手順で繰り返していること」を一つ書き出してみましょう。
それが自動化の候補です。
「もしこれが自動になったら、何分節約できるか」を考えてみてください。
小さな気づきが、次の一歩につながります。
この連載のほかの記事は、こちらからまとめてご覧いただけます。
