#35 GPTsをチームで育てる・運用する | 介護現場のAI仕事術

・難易度:★★★
・所要時間:約20分
・使うツール:ChatGPT(Plus以上)


前回、施設専用GPTを「育てる」方法を紹介しました。

今回はそれをチームで使う話です。

一人で作って一人で使っているGPTは、その人が異動・退職したら終わりです。
でもチームで共有して、みんなで使いながら育てていけば、GPTは施設の資産になります。

「AIが得意な人がいないと使えない」から「誰でも使える仕組みがある」施設へ。この回はその作り方です。


この回でやること

  1. GPTをチームで共有する

  2. 使い方マニュアルをGPT自身に作らせる

  3. フィードバックを集めて育てる仕組みを作る

  4. 複数のGPTを役割分担させる


※返答例はイメージです。実際の出力は毎回異なります。

Lv.1 GPTをチームで共有する

第22回で作成・共有の手順を紹介しました。

GPTビルダーの「GPTを共有する」ボタン→「リンクを受け取った人」を選択→「保存する」で共有が設定されます。そして、「リンクをコピーする」ボタンをクリックすることで、リンクがクリップボードにコピーされます。

このリンクをグループLINEやチャットに貼るだけで、チーム全員が同じGPTを使えるようになります。

共有するときに伝えること:

  • このGPTは何のためのものか

  • どんな使い方をするか(プロンプトの例)

  • やってはいけないこと(個人情報を入力しないなど)

リンクを貼るだけでなく、使い方を一言添えることで、チームの使い始めがスムーズになります。

【注意】GPTsの共有はChatGPT Plusのアカウントが必要です。共有リンクを受け取った側は無料アカウントでも使えます。


Lv.2 使い方マニュアルをGPT自身に作らせる

共有するとき、「どう使えばいいか」を1ページにまとめたマニュアルがあると便利です。

これもGPTに作らせてしまいましょう。

GPTビルダーでGPTを開いた状態で、以下をChatGPTに指示します:

「このGPTの使い方マニュアルをA4x2枚程度で作ってください。対象は介護現場のスタッフで、AIに詳しくない人でも使えるように、具体的なプロンプト例を3つ以上入れてください。」

返答イメージ:

このマニュアルをWordやPDFに仕上げてスタッフルームに貼っておくと、誰でもすぐ使い始められます。


Lv.3 フィードバックを集めて育てる仕組みを作る

GPTをチームで使い始めたら、フィードバックを集める仕組みを作ります。

シンプルなフィードバックの集め方:

Googleフォームで以下の項目を用意します:

  • 使った日付

  • 使った場面(申し送り・ヒヤリハット・その他)

  • 良かった点

  • 気になった点・改善してほしい点

  • 実際に使ったプロンプト(任意)

月に一度、このフォームの回答を見て、GPTの指示を更新します。

「気になった点」が3件以上たまったら指示に反映する、というルールを作ると、無理なく運用できます。

【ヒント】フィードバックフォームへのリンクをGPTの使い方マニュアルに入れておくと、スタッフが気づいたときにすぐ送れます。


Lv.4 複数のGPTを役割分担させる

施設専用GPTが育ってくると、「一つのGPTに全部やらせるより、役割を分けた方がいい」と感じる場面が出てきます。

たとえば:

GPT名

役割

記録アシスタント

申し送り・ケア記録・ヒヤリハット報告書

家族連絡アシスタント

お便り・行事案内・近況報告

研修サポートアシスタント

研修資料・小テスト・振り返りシート

新人サポートアシスタント

業務手順の質問対応・マニュアルの要約

役割を分けることで、それぞれの指示をシンプルに保てます。一つのGPTに何でもやらせようとすると、指示が複雑になって精度が落ちます。

「このGPTは記録だけ」「このGPTは家族対応だけ」と割り切ることで、使う側も迷わなくなります。

【ヒント】GPTの名前は具体的につけましょう。「介護記録アシスタント」より「申し送り・ヒヤリハット専用」の方が、スタッフが迷わず使えます。


「AIが得意な人」に頼らない施設を作る

GPTをチームで育てる本当の意義は、「AIを使える施設」を「特定の人に依存しない形」で作ることです。

AI活用が一人の担当者に依存していると、その人が異動・退職した瞬間に止まります。でも施設全体の資産として蓄積されていれば、誰が担当になっても続けられます。

GPTに蓄積された指示は、施設の「業務の暗黙知」を言語化したものでもあります。「うちはこういう言い回しをする」「こういう場合はこうする」というルールが、GPTの指示の中に刻まれていきます。

それはAIの設定であると同時に、施設の文化の記録です。


まとめ

  • GPTをチームで共有するときは使い方の一言を添える

  • 使い方マニュアルはGPT自身に作らせる

  • フィードバックフォームを用意して月次で指示を更新する

  • 役割を分けた複数のGPTを使い分けると精度が上がる

  • GPTは施設の業務知識を蓄積する資産になる


【きょうの20分】

今使っている施設専用GPTを、チームの誰か一人に共有してみましょう。使い方を一言添えて、LINEで送るだけでOKです。「使ってみてどうだった?」と後日聞いてみてください。その一言が、GPTを育てる最初のフィードバックになります。


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