【きょうのピックアップ】

2026年の制度改正で見込まれる事務負担の軽減や処遇改善の動向と、深刻な健康課題である糖尿病の「治療の先送り」問題。現場の環境整備と、利用者・スタッフ自身の健康を守るための視点を整理します。

2026年介護保険改正における、これからの注目点

2026年は、制度と報酬の両面で変化が重なるタイミングとなりそうです。注目の一つは、4月から順次スタートする「介護情報基盤」です。ケアプランや要介護認定情報がデジタルで一元化され、関係者間でのスムーズな情報共有を目指す仕組みです。これまで紙や電話に頼っていたやり取りがオンラインへ移行することで、事務作業の進め方が見直される契機になるかもしれません。あわせて注目されているのが、本来の改定時期を前倒しする形での「報酬の臨時改定」の議論です。物価高や人材確保の難しさを背景に、月額1万円程度の処遇改善などが検討案に挙がっています。「情報のデジタル化」と「働く人の支え」。これら2つの動きがどう形になり、現場にどのような変化をもたらすのか、今後の動向が期待されます。

出典:2026年介護保険改正の注目点!介護情報基盤と介護報酬・臨時改定を解説:NDSコラム

糖尿病の「クリニカルイナーシャ(治療の先送り)」という課題

厚生労働省の調査(2023年)によると、糖尿病の患者数は552万人を超え、深刻な健康課題となっています。しかし、専門医の坂本昌也教授は、この病気の本当の怖さは「自覚症状がないまま10〜15年かけて進行すること」にあると指摘しています。特に問題視されているのが、「クリニカルイナーシャ(治療の先送り)」という現象です。健診で血糖値の高さを指摘されても、自覚症状がないために患者側が「まだ大丈夫」と軽く考えてしまったり、多忙な医療現場でも具体的な生活指導まで手が回らず「もっと悪くなったら来てください」と経過観察にとどまってしまうケースが少なくありません。境界型の段階でいかに「自分事」として対策を始められるか。単なる数値の問題ではなく、将来の合併症リスクを減らすための継続的な関わりが、今求められています。

出典:<糖尿病=高齢者の病気>は本当?「血糖値が高めですね」と言われても受け流してしまう人が多いが先送りは大きなリスクで…:dmenuニュース


【きょうのEEFUL DBノート】

デジタル化による事務負担の軽減や、処遇改善による支援体制の強化に向けた動きは、介護現場に「時間と心のゆとり」を生み出す一つのきっかけになる可能性を秘めています。そのゆとりをいかに活用していくか。そこで鍵となるのが、今回取り上げた糖尿病のように「目に見えないところで進行するリスク」への注視ではないでしょうか。本人や多忙な医師が見落としがちな小さな予兆に対し、日常的に接する介護の専門職が気づき、適切なタイミングで繋いでいく。制度というインフラの整備と、一人ひとりの健康という土台の維持、この両輪を意識していくことが、これからの質の高いケアへと繋がっていく一助になることが期待されます。