【きょうのピックアップ】

職員が日々感じる負担の実態はどこにあるのか――訪問介護で浮かび上がった「自身の移動」の重さと、報酬制度が物価・人件費の変動をどう反映していくべきかという論点を取り上げます。

① 訪問介護の「自身の移動」が最も大きな負担

ニチイ学館の調査によれば、訪問介護サービスに従事する職員の中で、最も負担が大きいと感じられている業務は「スタッフ自身の移動」であることが示されました。従来、身体的な負担や移乗支援といったケア技術面に注目が集まりがちですが、現場での移動時間・移動コストの積み重ねや、スケジュールの切り回し負荷が大きなストレス要因となっていることが分かっています。こうした日常的な負担は、単純に時間や体力の問題に留まらず、職員の疲弊や離職リスクにも結びつきうる重要な実態です。

出典:訪問介護での負担業務、「自身の移動」が最上位:医療介護CBnews

② 論説:報酬制度は物価・人件費変動をどう反映すべきか

福祉・医療・介護の報酬システムは、点数化された単価でサービス価値を評価しますが、近年の物価上昇や人件費上昇を現行の改定サイクルだけで追い切れないという課題があります。コラムでは、物価や人件費を反映するための「スライド制」導入や毎年度の改定を含めた報酬体系の再構築案が議論されています。現場では、経営と人材確保の両立が常に課題となっており、制度の柔軟性と持続可能性が今後の報酬制度を考える上で欠かせない視点です。

出典:〈論説〉医療・介護・福祉の報酬 物価をどう反映させる:福祉新聞

【きょうのEEFUL DBノート】

利用者との対話やケアの実務がしばしば注目される中で、現場の「隠れた負担」を可視化することは、持続可能な支援体制の構築に直結します。訪問介護の「自身の移動」の負担は、単純な“時間の消費”ではなく、スケジュールや体力、経済的負担として職員の生活の質にも影響を及ぼします。また、報酬制度が物価や人件費の変動をどう吸収していくかという制度設計の議論は、介護現場における人材確保や働き方の安定性を左右する余地があります。負担の実態把握と、それに応じた報酬体系の柔軟な設計は、介護を支える人と仕組み双方の持続性を高める鍵となるでしょう。現場の経験と制度の分析を往還しながら、より実効性の高い支援を考える視点が求められています。