介護現場のAI仕事術

#04 出力の形式を指定する | 介護現場のAI仕事術

・難易度:★

・所要時間:約10分

・使うツール:ChatGPT(無料版でOK)


「まとめて」と頼んだら、思ってたのと違う形で返ってきた

AIに何かを頼んで、こんな経験はありませんか。

「会議の内容を文章でまとめて」と送ったら、長い文章が返ってきた。でも自分が欲しかったのは箇条書きだった。「整理して」と頼んだら、なんとなくそれらしい文章が返ってきたけど、使いにくかった。

AIは「まとめて」という指示に対して、自分なりの判断で形式を選びます。その判断が自分の期待とずれることが、最初のうちはよくあります。

今日覚えるのは、「どんな形で出してほしいか」をあらかじめ指定する方法です。形式を指定できるようになると、AIの出力がそのまま使えるレベルに一気に近づきます。


形式を指定するとは、どういうことか

第1回・第2回・第3回で「要約する」「整える」「読み取る」を覚えてきました。今回はそれに「形式」という概念を加えます。

たとえば同じ内容でも、受け取る相手や使う場面によって、欲しい形は変わります。

  • ・スタッフへの共有メモ → 箇条書きが読みやすい

  • ・施設長への報告 → 表形式で整理したい

  • ・議事録として残す → 時系列で書き起こしたい

  • ・家族への説明文 → 読みやすい文章にしたい

AIはこの「形式」を指示するだけで、同じ情報をまったく違う見た目に変換してくれます。


実際の手順

ステップ1|整理したい情報を用意する

会議のメモ、口頭で話した内容、箇条書きのメモなど、何でもかまいません。第2回・第3回で学んだ方法でテキスト化したものをそのまま使えます。

ステップ2|「形式」を指定して送る

指示文の中に「箇条書きで」「表形式で」「時系列で」など、欲しい形を一言加えるだけです。


ステップ3|出力を確認して、必要なら形式を変える

返ってきた形式が使いにくければ、「今度は表形式で」「もっとシンプルに」と追加指示するだけで作り直してくれます。


プロンプトは「育てる」もの。3段階で試してみよう

今回使うサンプルは、担当者会議のメモです:

Cさんの担当者会議 参加者:ケアマネ・訪問介護・デイサービス・家族 本人の状態:最近歩行が不安定、転倒リスクあり 訪問介護から:週3回の入浴介助は継続 デイから:レク中に疲れやすい、午後は休憩多め 家族から:夜中にトイレで起きることが増えた、心配している 今後の方針:手すり設置を検討、福祉用具担当に相談 次回会議:3か月後

※返答例はイメージです。実際の出力は毎回異なります。

Lv.1|形式を指定せずに送ってみる

【指示文(プロンプト)】

「以下の会議メモを文章でまとめてください」

ChatGPTの返答例:

Cさんの担当者会議が行われ、ケアマネ・訪問介護・デイサービス・ご家族が参加しました。現在、歩行が不安定で転倒リスクがあり、各サービスからそれぞれ状況が共有されました。今後は手すりの設置を検討し、福祉用具担当者に相談する方針です。次回会議は3か月後の予定です。

まとまってはいます。でもこれでは「誰が何を報告したか」が見えにくい。形式を指定するともっと使いやすくなります。

Lv.2|箇条書き形式を指定する

【指示文(プロンプト)】

「以下の会議メモを、参加者ごとの報告内容が一目でわかるよう箇条書きでまとめてください」

ChatGPTの返答例:

【Cさん担当者会議 まとめ】

■ 本人の状態 ・歩行が不安定で転倒リスクあり

■ 訪問介護より ・週3回の入浴介助は継続

■ デイサービスより ・レク中に疲れやすく、午後は休憩が多め

■ ご家族より ・夜中のトイレで目が覚めることが増えており、心配されている

■ 今後の方針 ・手すりの設置を検討。福祉用具担当者に相談する

■ 次回会議 ・3か月後

「誰が何を言ったか」が一目でわかる形になりました。このまま議事録として使えるレベルです。

Lv.3|表形式を指定する

【指示文(プロンプト)】

「以下の会議メモを表形式でまとめてください。列は『報告者』『内容』『対応・方針』の3つにしてください」

ChatGPTの返答例(スクリーンショット):

同じ情報が、施設長への報告資料にそのまま使えるレベルに仕上がりました。


よく使う形式の指定フレーズ

形式の指定はシンプルな一言で十分です。よく使うものをまとめておきます。

  • ・「箇条書きで」

  • ・「表形式で」

  • ・「時系列で」

  • ・「です・ます調の文章で」

  • ・「見出しをつけて整理して」

  • ・「3行以内に要約して」

  • ・「A4一枚に収まる量で」

これらは組み合わせても使えます。「箇条書きで、3項目以内に絞って」のように指定すると、さらに出力をコントロールできます。


この技術、こんな場面で使えます

1. 担当者会議・カンファレンスの議事録

口頭で記録したメモを渡して「参加者ごとに箇条書きで」と指示するだけで、そのまま配布できる議事録になります。

2. 施設長・上司への報告資料

「表形式で」「3項目に絞って」と指定することで、報告の場に合った形式に整えられます。

3. 複数の情報を比較したいとき

複数の利用者情報や、複数のサービス事業所からの報告をまとめるときに、「表形式で比較して」と指示すると一覧化できます。

4. 家族への説明文の作成

「ご家族にもわかりやすい言葉で、文章形式で」と指定することで、専門用語を使わない説明文が作れます。


【きょうの10分】

手元にある会議メモや申し送りの記録を一つ選んで、まず「箇条書きでまとめて」と送ってみてください。次に「今度は表形式で」と追加で送ってみましょう。

同じ情報が形式によってどう変わるか、その違いを体感するだけで、今日学んだことはすべて身につきます。


この連載のほかの記事は、こちらからまとめてご覧いただけます→ 介護現場のAI仕事術 — 記事一覧