#30 介護記録をAIでもっと速く・うまく書く | 介護現場のAI仕事術

・難易度:★★
・所要時間:約15分
・使うツール:ChatGPT(無料・有料どちらでも可)


介護現場の記録業務は時間がかかります。

ケアが終わった後、「さっきのこと、どう書けばいいか」と手が止まる。申し送りで同じような文章を毎回書いている。ヒヤリハット報告書の言葉がうまくまとまらない。

そんな場面にChatGPTは役立ちます。話しかけるように状況を伝えるだけで、記録として使える文章の下書きが数分でできます。


この回でやること

  1. 1. 申し送りの下書きを作る

  1. 2. ケア記録の下書きを作る

  2. 3. ヒヤリハット報告書の下書きを作る

  3. 4. 記録をブラッシュアップする


※返答例はイメージです。実際の出力は毎回異なります。

Lv.1 申し送りの下書きを作る

申し送りは毎日書く記録です。「いつもと同じような文章になってしまう」「ポイントが伝わっているか不安」という声をよく聞きます。

状況をそのままChatGPTに伝えてみましょう:

「以下の内容を申し送り文にまとめてください。介護記録として使いやすい形に整えてください。

・Aさん(80代男性)、昨夜から食欲が落ちている
・朝食は半量。水分はとれている
・表情は穏やか。発熱なし
・昼食の様子を注意して見てほしい」

返答イメージ:

箇条書きで渡した情報が、自然な申し送り文に整います。

【ヒント】「もっと短く」「SOAP形式で」「夜勤者向けに重要な点だけ」など、追加で指定すると形式を調整できます。

【ヒント】SOAP形式とは、S(Subjective:主観的情報=利用者さんの訴えや言葉)・O(Objective:客観的情報=スタッフが観察・測定した事実)・A(Assessment:評価=SとOをもとにした判断)・P(Plan:計画=今後の対応方針)の4項目で構成される記録形式です。ケアプランや看護記録で採用している施設も多く、「SOAP形式で書いてください」と指示するだけでその形式に整えてくれます。


Lv.2 ケア記録の下書きを作る

ケアが終わった直後に、状況をそのまま話しかけるように入力します:

「ケア記録を書いてください。

・Bさん(75歳女性)、14時に入浴介助
・全介助。湯温40度
・ご本人はリラックスされており笑顔が見られた
・皮膚に異常なし」

返答イメージ:

ケア記録

ケアが終わった直後にスマホで入力すれば、記憶が新鮮なうちに記録が完成します。

【ヒント】第23回で紹介したChatGPTスマホアプリの音声入力と組み合わせると、話しかけるだけで記録が完成します。


Lv.3 ヒヤリハット報告書の下書きを作る

ヒヤリハット報告書は「正確に・わかりやすく」書く必要がありますが、急いでいる中で書くとどうしても雑になりがちです。

「ヒヤリハット報告書の下書きを作ってください。

・報告者:X
・発生日時:6月3日 10時15分
・場所:2階廊下
・内容:夜勤明けの巡回中、Cさんがトイレから出てきたところでよろめいた。すぐそばにいたスタッフが支えて転倒を防いだ。けがなし。ナースコールを使わずに一人でトイレに行こうとしていた。今後はナースコールの使い方を再度説明する」

返答イメージ:

【ヒヤリハット報告書】

報告者:X 発生日時:6月3日 10:15 場所:2階廊下

【発生状況】

巡回中、Cさんがトイレから出てきた際によろめく場面が

見られました。ナースコールを使用せずに単独でトイレへ

移動されていた状況でした。

【対応内容】

直ちに駆け寄り体を支え、転倒を防ぎました。

外傷・体調の異常はありませんでした。

【今後の対応】

Cさんに対してナースコールの使用方法を改めて説明し、

移動時は必ず呼び出しをいただくよう周知します。

走り書きのメモが、構造化された報告書の形に整います。

【注意】利用者さんの実名は入力しないようにしましょう。「Aさん」「80代男性」のように表現してください。施設のAI利用ルールに従って運用してください。


Lv.4 記録をブラッシュアップする

下書きができたら、そのまま使うのではなく確認と手直しをします。

  • ・「この記録をもう少し簡潔にしてください」
    ・「専門用語を使わず、わかりやすい言葉に直してください」
    ・「SOAP形式で書き直してください」

追加の指示を出すだけで、形式や文体を自由に調整できます。

AIが作った文章はあくまで下書きです。事実確認と最終的な判断は必ず自分で行ってください。「だいたい合っているけど、この部分だけ修正する」という使い方が現場での最適解です。


まとめ

  • ・ 申し送り・ケア記録・ヒヤリハット報告書、どの記録にも使える

  • ・ 箇条書きで状況を渡すだけで下書きができる

  • ・ 「短く」「SOAP形式で」など追加指示で形式を調整できる

  • ・ AIの出力は下書き。事実確認と最終判断は必ず自分で

記録業務にかかる時間が短くなることで、利用者さんと向き合う時間が増えます。「書くのが苦手」「毎回時間がかかる」という方にこそ、試してほしい使い方です。


【きょうの15分】

今日書いた記録を一つ思い浮かべてください。その内容を箇条書きでChatGPTに渡して、下書きを作ってもらいましょう。
自分が書いたものとどう違うか比べてみるだけで、使い方のコツがつかめます。


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