#31 利用者さんへのお便りをAIで作る | 介護現場のAI仕事術

・難易度:★★
・所要時間:約15分
・使うツール:ChatGPT(無料・有料どちらでも可)


介護現場では、利用者さんやご家族への文書を書く機会が多くあります。

季節のご挨拶、行事のご案内、日々の近況報告。どれも大切なコミュニケーションですが、「どんな言葉を使えばいいか」「失礼のない文章になっているか」と悩みながら書いている方も多いはずです。

AIはこの「言葉を選ぶ」作業が得意です。状況と相手を伝えるだけで、温かみのある文章の下書きが数分でできます。


この回でやること

  1. 1. 季節のお便りを作る

  2. 2. 行事のご案内文を作る

  3. 3. ご家族への近況報告文を作る

  4. 4. 繰り返し使うなら登録しておく

  5. 5. 文章のトーンを調整する


※返答例はイメージです。実際の出力は毎回異なります。

Lv.1 季節のお便りを作る

まず基本の型として、季節のお便りを作ってみます。

「特別養護老人ホームから利用者さんのご家族へ送る、6月の季節のお便りを書いてください。以下の2つの出来事だけを盛り込んでください。それ以外の出来事は作らないでください。

・あじさいの折り紙を作って廊下や食堂に飾り付けをした
・梅雨の室内レクとして音楽レクを行った

温かみのある文章で、400字程度でお願いします。」

返答イメージ:

梅雨の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

施設では先日、スタッフと入居者の皆さんで折り紙のあじさいを作り、廊下や食堂に飾り付けをしました。

色とりどりのあじさいに囲まれた施設内は、雨の多いこの季節でも明るく和やかな雰囲気に包まれています。

梅雨の時期は外出が難しい日も多いですが、施設内では音楽レクなど、室内でも楽しめる活動を取り入れています。

皆さんが笑顔で参加してくださる姿に、スタッフ一同大変嬉しく思っております。

引き続き、お体に気をつけてお過ごしください。

またのご面会を心よりお待ち申し上げております。

〇〇施設 スタッフ一同

季節感と施設の日常が伝わる文章が数分でできました。


Lv.2 行事のご案内文を作る

行事の案内文も、条件を伝えるだけで下書きができます。

「特別養護老人ホームから利用者さんのご家族へ、夏祭りのご案内文を書いてください。

日時は7月20日(日)14時〜16時、場所は施設の多目的ホール、内容はスタッフによる盆踊り・縁日ゲーム・かき氷です。参加自由・ご家族も来ていただけます。」

返答イメージ:

日時・場所・内容を伝えるだけで、案内文の体裁が整います。

【ヒント】「もっとにぎやかで楽しそうな雰囲気にして」「もう少しシンプルにして」など、トーンの調整も一言で指示できます。


Lv.3 ご家族への近況報告文を作る

個別の利用者さんについてご家族に伝える近況報告も、AIで下書きできます。個人情報は入力せず、状況だけを伝えます。

「特別養護老人ホームの担当スタッフから、利用者さんのご家族への近況報告文を書いてください。以下の内容を盛り込んでください。

・最近は食欲が戻ってきた
・デイルームでほかの入居者さんと話す場面が増えた
・先週の音楽レクでは昔の歌を口ずさんでいた

温かみがあり、ご家族が安心できる文章にしてください。200字程度。」

返答イメージ:

「ご家族が読んで安心できる」という観点を伝えるだけで、トーンが自然と調整されます。

【注意】利用者さんの名前・家族名・具体的な診断名などの個人情報はChatGPTに入力しないでください。状況を箇条書きで渡すだけで十分な文章の下書きができます。


Lv.4 繰り返し使うなら登録しておく

季節のお便りや近況報告は、毎月・毎シーズン繰り返す文書です。毎回同じような前置きをプロンプトに書くのは手間です。

第22回で紹介したGPTsを使えば、「特養のスタッフとして家族への近況報告を書く」という役割をあらかじめ登録しておけます。登録後は出来事の箇条書きだけを渡すだけで、同じ品質の文章が出てくるようになります。

GPTsに登録する指示の例:

「あなたは特別養護老人ホームの担当スタッフです。利用者さんのご家族への文書(季節のお便り・行事案内・近況報告)を書く役割を担います。温かみがあり、ご家族が安心できる文体で書いてください。利用者さんの個人情報は含めないようにします。」

この設定をしておけば、毎回「特別養護老人ホームの担当スタッフから…」という説明を書かずに済みます。

【ヒント】GPTsの作成方法は第22回を参照してください


Lv.5 文章のトーンを調整する

出力された文章が少し堅すぎる、または柔らかすぎると感じたら、追加で指示するだけで調整できます。

  • ・「もう少し柔らかい表現にしてください」
    ・「敬語を維持しつつ、もう少し親しみやすくしてください」
    ・「300字以内に短くしてください」
    ・「施設名の署名を最後に入れてください」

一度で完璧な文章を出そうとせず、対話しながら調整するのがコツです。


まとめ

  • ・季節のお便り・行事案内・近況報告など、ご家族への文書全般に使える
    ・状況を箇条書きで渡すだけで下書きができる
    ・「温かみのある」「安心できる」など文体の方向を一言添えると精度が上がる
    ・個人情報は入力せず、状況だけを伝える

  • 「文章を書くのが苦手」「毎回同じような文になってしまう」という悩みが軽くなります。AIを下書きツールとして使い、最後の確認と仕上げは人の目で行う。この役割分担が、現場での使い方として最も自然です。


【きょうの15分】

今月中に発送予定のお便りや案内文が一つあれば、その内容をChatGPTに渡して下書きを作ってみましょう。
「こんな感じで書けるんだ」という体験が、次の一歩につながります。


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