#40 複数ツールをつないで業務を完全自動化する | 介護現場のAI仕事術
・難易度:★★★
・所要時間:約15分
・使うツール:なし(読み物)
この連載も、残すところあと2回です。
第1回でChatGPTに初めて話しかけてから、GPTsで施設専用AIを作り、Makeで自動通知を組み、Coworkでファイルを丸ごと処理できるようになりました。
今回は、これらのツールを「つなぐ」と何ができるかを考えます。
この連載で登場したツールの役割
まず整理します。
ChatGPT / Claude(対話型AI)
話しかけて答えをもらう。記録の下書き・お便りの作成・シフトのたたき台など、一問一答で使う基本ツール。
GPTs(施設専用AI)
施設のルールや言い回しを覚えた専用アシスタント。毎回プロンプトを書かなくても、施設に合った返答が返ってくる。
Make(自動化ツール)
「フォームが入力されたら→AIで整形→Gmailで通知」のように、複数のアプリをつないでトリガーと処理を自動化する。
Cowork(AIエージェント)
複数のファイルをフォルダごと処理して、成果物を作り上げる。スケジュール設定で定期実行も可能。
つなぐと何ができるか
それぞれ単体でも十分強力ですが、組み合わせると「人間がほとんど何もしなくていい」業務フローが作れます。
シナリオ①:ヒヤリハット報告の完全自動化
【現在(手動)】
スタッフがフォームに入力
↓
主任がメールを確認
↓
主任が内容を整理して記録
↓
月末に手作業で集計・レポート作成
【自動化後】
スタッフがフォームに入力
↓(Make)
ChatGPTが自動で整形・再発防止提案を追加
↓(Make)
主任にGmailで通知
↓(Cowork・月末に自動実行)
先月分を集計してWordレポートを自動作成
第28・29回で作った仕組みと、第37回のCoworkを組み合わせると、このフローが実現します。
シナリオ②:研修の自動化
【現在(手動)】
主任が研修資料を作成
↓
スタッフに配布・説明
↓
理解度を口頭で確認
【自動化後】
テーマを決めてGPTsに指示
↓(GPTs)
施設の言い回しに合わせた研修資料を自動生成
↓(Claude)
理解度確認のHTMLクイズも自動生成
↓(共有フォルダやUSBで配布)
スタッフが各自のスマホでクイズに回答
第20回の研修資料作成と、第39回のHTMLクイズを組み合わせると、このフローが実現します。
シナリオ③:週次レポートの完全自動化
【現在(手動)】
毎週月曜に先週の出来事をまとめる
↓
管理者に報告書を提出
【自動化後】
毎週月曜の朝8時に自動実行(Cowork)
↓
先週のヒヤリハット・記録・シフトを集計
↓
週次レポートをWordで自動生成
↓
管理者にメールで自動送信(Make)
「完全自動化」の本当の意味
ここで一つ、立ち止まります。
「完全自動化」というのは「人間が何もしない」ということではありません。
AIが先回りして整理してくれるから、人間は判断に集中できる。それが本当の意味です。
ヒヤリハット報告書を自動で整形してくれるから、主任は「このケースにどう対応するか」を考えることに時間を使える。週次レポートが自動で届くから、管理者は「この傾向をどう解釈するか」を考えることに集中できる。
AIが「事務」を担い、人間が「判断」を担う。この役割分担が、介護現場のAI活用の本質です。
どこから始めるか
ここまで読んで「全部やりたい」と思った方も「まだ1つもできていない」という方もいるはずです。
どちらでも、始め方は同じです。
今日から使えること:
ChatGPTに記録の下書きを頼む。シフトのたたき台を作ってもらう。お便りの文章を整えてもらう。
次のステップ:
GPTsで施設専用AIを作る。Makeで通知を自動化する。
その先:
Coworkで定期レポートを自動化する。複数のツールをつなぐ。
一つできれば、次が見えてきます。
まとめ
ChatGPT・GPTs・Make・Coworkはそれぞれ得意なことが違う
つなぎ合わせることで「人間がほとんど何もしなくていい」業務フローが作れる
「完全自動化」の本質は「人間が判断に集中できる環境をつくること」
始め方は「今日から使えること」の一つから
次回(最終回)は、この3か月を振り返ります。
【きょうの15分】
自分の施設で「毎月・毎週・毎日繰り返している作業」を一つ思い浮かべてください。それがAIで自動化できるか、この回のシナリオと照らし合わせて考えてみましょう。
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